看護学科
看護学科
Dept. of Nursing
「やさしさを私たちのつよさに」
チーム医療の要となる看護専門職として
活躍できる能力を育む

看護学科について

看護の理論・知識・技術を修得するとともに、人間性や倫理感を高め、地域の医療、保健分野で貢献できる人材の育成を目指します。4年間の学修により、看護師国家試験受験資格が得られます。特に、看護の学びの基礎として、人文・自然・社会科学など幅広い教養を身につけられることは、大学での看護師育成ならではのメリットでしょう。日本医療科学大学では、理論や知識をもとに実践する機会をたくさん用意し、自分で考えて判断できる力を養っていきます。さらにチーム医療を重視し、他の医療職の仕事内容や役割について理解し、どのように連携していくべきかを考えます。他にも人々の健康の保持、増進に向け公衆衛生の分野で活躍するための保健師国家試験受験資格(※)を得ることも可能です。
※保健師国家試験の受験資格を得るためには、所定の科目を履修する必要があります。また、履修については選択・選抜制です

看護師とは

もしあなたが今までにけがや病気で入院した経験があるなら、きっと看護師は大きな心の支えになってくれたことでしょう。看護師は病床で苦しむ人の辛さを和らげ、日常生活の援助や心のケア、診療の補助を行います。

社会のニーズ

看護職の活動のフィールドはどんどん広がり、期待も高まっています。看護師には、患者様の病気だけでなくその人の全体を看て、日常生活をできるだけ安楽に過ごせるよう援助する役割が求められます。看護師は、いわゆるチーム医療の要的存在と言えるでしょう。例えば、患者様の変化や希望を的確に把握し関係する職種へ伝え、診療の補助と呼ばれる治療的ケアを行います。また、多職種と共に検査やリハビテーション等にも関わります。さらに、地域や在宅の保健・医療・福祉の担い手として人々が安心して地域で生活できるよう支援する役割も求められています。
近年、国際化に伴い、日本で生活する外国人の看護にあたるケースも増えています。語学力はもちろんのこと、歴史、宗教、文化、習慣などについても精通することで、外国人の方が適切な治療やケアを受けられるよう援助していかなければなりません。現在日本で活躍する看護師は約128万人(令和2年)。今後ますます社会における存在意義も高まる一方です。

取得可能資格

看護師(国家試験受験資格)
保健師(国家試験受験資格)※選択制

活躍のステージ

大学病院、総合病院、一般病院、診療所、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、地域リハビリテーションセンター、老人福祉施設、保健所、保健センター、スポーツ分野、フィットネス産業、教育・研究機関、医療機器関連企業 など

履修の流れ・カリキュラム
履修の流れ
カリキュラム
学びの特色と実習内容
学びの特色
看護専門職に必要な知識・技術はもちろん、人間性や倫理観を高め、医療・保健分野で貢献できる人材を育成します。特に、看護の学びの基盤として、人文・自然・社会科学など幅広い教養を身につけられることは大学での看護教育のメリットです。臨地実習は、1年次の基礎看護学実習に始まり、4年次の統合実習まで段階を追って行い、実践力を身につけます。また、他の医療職の仕事の内容や役割を理解し、連携のあり方について学びます。
授業風景動画
実習内容
学外の協力病院や施設等において、それぞれ目的を持った臨床実習を行います。
主な科目
基礎看護学実習I
入院している患者とのコミュニケーションを通して基本的欲求に基づく日常生活行動を観察し、自力でできない生活行動の援助を通して看護ケアの意味を考えます。また、臨地(病院)実習を通し、看護の役割と看護職に求められる知識・技術・態度などについて理解します。
基礎看護学実習II
入院している患者の看護上の問題を把握し、個別性を含めた科学的な援助の計画を立案し、病棟指導者及び教員からの指導を受けて日常生活援助を実践し、評価・修正するという看護のプロセスを学修します。また、看護の対象との関わり、ケアを通して、自己の看護に対する考えを深めます。
母性看護学実習
周産期にある母親と新生児を中心に、子どもを産み育てる女性の健康と女性を支える家族や社会について理解を深め母性看護の基礎的な実践能力を養います。
小児看護学実習
小児看護の実践に必要な知識、技術を統合し、小児看護の基礎的な実践能力を学修します。
成人看護学実習I・II
ライフサイクルにおける成人期の身体的・心理的・社会的特性をふまえ、これまでの講義・演習で学んだ、知識・技術を統合し、健康問題を持つ患者及びその家族に対して必要とする感顔を、個別的に実践する能力を養います。
高齢者看護学実習I・II
高齢者が住み慣れた地域で豊かな老年期を過ごせるように、保健・医療・福祉等との連携を図り、高齢者の健康と生活を支援することが求められています。このため、「高齢者看護学実習I」は、地域で生活する高齢者・要支援者を対象とした看護について学び、「高齢者看護学実習II」では、入院している高齢者の看護について学修します。
精神看護学実習
対象である精神障がい者とその家族を身体・心理・社会的側面から理解し、対象の目標に向けた個別的な看護を実践します。
地域・在宅看護実習I・II
Iでは、地域で暮らす人びとの看護と健康支援について学びます。IIは、訪問看護師の役割、多職種連携を通して地域で療育する人々の看護について学びます。
公衆衛生看護学実習I・II
(保健師課程履修者のみ)
保健所や保健センターにおける保健活動を通して、地域で暮らす人々の健康に関わる地域保健活動、公衆衛生看護、公衆衛生看護活動の展開方法と保健師の役割を学びます。
統合実習
既修の知識・技術を統合し、看護チームの一員として看護を統合的、継続的に実践できる能力を養います。
看護学科の年次別臨床実習
年次 前期 後期 目的/方法 時間
(単位)
1年次 基礎看護学実習-I ① 基礎看護学実習I- ② 目的:看護の対象者・看護活動の見学、患者とのコミュニケーション、生活の援助を通して、看護の役割について理解を深める。

方法:①一日の見学実習をおこなう。病院の各部署や病棟の看護を建学し、入院環境や対象者とのコミュニケーションの取り方を学ぶ。
②4日間の実習をおこなう。
学生は一人の患者を受け持ち、日常生活の援助を実践する。
45時間
(1単位)
2年次 地域・在宅看護実習I(地域で暮らす人びとの健康支援)   目的:地域で暮らす人びとの健康支援を図るために、地域包括ケアシステムの「自助」「互助」の活動の実際に参加し、地域包括ケアシステムの構築における看護師の役割を考察する。

方法:地域の保健・医療・福祉に関わる社会資源(健康増進、介護予防、社会福祉協議会、児童厚生施設)の事業や自主グループなどの活動の実際に参加する
45時間
(1単位)
  基礎看護学実習II 目的:対象を全人的にとらえ、ニーズの充足をめざして日常生活の援助を計画・実施・評価できる能力を養う。

方法:2週間の臨地実習を行う。学生は一人の患者を受け持ち、看護過程を展開し看護の援助を実践する。
90時間
(2単位)
3年次   成人看護学実習I(周術期) 目的:手術を受ける患者の生命機能の急激な変化を知り、周術期の過程を通じて,生命の維持、苦痛の緩和、日常生活の回復、生活機能の回復に向けての看護援助を習得する。

方法:手術室、外来、検査室等の見学、および手術を受ける患者事例について、看護を展開する。
135時間
(3単位)
成人看護学実習II(慢性疾患・機能障害) 目的:急性疾患あるいは慢性疾患・機能障害をもつ患者を対象として、その健康レベルとニーズに合わせた看護実践方法を習得する。

方法:急性疾患あるいは慢性疾患・機能障害をもつ患者を1名受け持ち、看護を展開する。
135時間
(3単位)
  高齢者看護学実習I 目的:地域社会で生活する高齢者の特徴、保健・福祉活動の実際と多職種連携について学び、豊かな高齢者観、看護についての考え方、主体的な学修態度を養う。

方法:複数の高齢者に関わりながら、介護施設において1週間の実習を行う。
45時間
(1単位)
  高齢者看護学実習II 目的:健康障害をもつ高齢者を対象として、身体・精神・社会面を総合的に理解し、個別性のある看護を実践できる能力を養う。また、高齢者を支えるチーム医療について理解する。

方法:2週間の病院実習において65歳以上の高齢者を受け持ち、看護の展開を行う。
90時間
(2単位)
  母性看護学実習 目的:女性のライフサイクルにおける性と生殖機能の生理的変化と妊娠期・分娩期および産褥期にある女性と新生児の看護について学ぶ。

方法:実習期間は2週間で主に産褥期の女性と新生児を受け持ち、ウェルネス型の看護診断を用いて看護を実践する。また、助産師外来の見学や分娩見学等を通して、周産期の女性と新生児、およびその家族に必要な看護を学ぶ。
90時間
(2単位)
  小児看護学実習 目的:①各発達段階にある小児を理解し、成長・発達を促すための生活援助ができる。
②家族関係を理解したうえで、小児と家族の看護問題を明確にし、解決に向けての援助ができる。

方法:病院、保育所・幼稚園それぞれ1週間ずつ、計2週間の実習を行い、目的・目標に合わせ実践する。
90時間
(2単位)
  精神看護学実習 目的:精神障害による生活への影響を理解し、支援を必要とする人とその家族の強みに着目した看護の展開を実践する。また、保健医療福祉における多職種との連携の重要性を理解し、看護の役割・機能を学ぶ。

方法:学生グループ(5名~6名)は1つの看護チームとし、学生は一人の対象者を受け持ち2週間の病院実習を行う。そのうち1日は、地域活動支援センター・勤労支援B型に参加して、障がい者の方と共に活動する。
90時間
(2単位)
  地域・在宅看護実習II(地域で療養する人々の看護) 目的:訪問看護師の個別支援のプロセスから地域特性を捉えた「共助」「公助」の社会資源を理解し、「自助」「互助」を包含する地域包括ケアシステムの構築における看護師の役割について考察する。

方法:訪問事業所の実習と訪問事業所以外の事業所実習(看護小規模多機能居宅施設、定期巡回・随時対応訪問介護施設、居宅介護施設、地域包括支援センター)などで実習を行う。
90時間
(2単位)
4年次 公衆衛生看護学実習I
※保健師課程履修者のみ
目的:保健師活動の基本となる地域診断を行い保健師の役割について考える。

45時間
(1単位)
公衆衛生看護学実習II
※保健師課程履修者のみ
目的:公衆衛生看護活動を通して保健師の役割と機能を理解することができる。

方法:県内の保健所・市町村保健センター、医療機関において、それぞれ5~6日、学校、産業機関で各1日の実習を行い地域で暮らす人々に関わる保健師の活動を学ぶ。
180時間
(4単位)
統合実習   目的:既修の知識・技術を統合し、看護チームの一員として看護を統合的、継続的に実践できる能力を養う。

方法:2週間の病院実習において複数患者受け持ち、チーム医療看護管理について学ぶ
90時間
(2単位)

設備機器
診察台・分娩台
母性領域の産婦人科診療や処置または出産時に使用するベッドです。
ネオテーブル
裸になった赤ちゃんの体温を下げることなく、身長・体重などの身体計測を行うことができます。
保育器
一定の室温・湿度・酸素濃度を保ちながら治療を行うことができ、赤ちゃんを感染から守ることができます。常時、モニター画面の数値から赤ちゃんの様子を観察し、判断することが可能です。
インファントウォーマー
赤ちゃんの体温を温めながら、蘇生や様々な処置が行えます。
胎児・子宮模型
妊娠経過に応じた妊婦さんのお腹にいる赤ちゃん(胎児)と子宮の変化を見て学ぶことができます。
フィジコ(physiko)
実際の患者様と入院環境を再現することで、看護技術を身につけていきます。フィジコは問診、血圧測定、心電図、眼の視診、肺・心・腸音の聴診のトレーニングが可能です。また、いくつかの疾患を設定することができ、看護実践力の強化が期待できます。
在学生インタビュー
学科長

将来の目標は患者様に寄り添い、
安心と信頼をしていただける様な
保健師になりたいです。

看護学科 3年
埼玉県立朝霞西高等学校 出身

Y.A.

日本医療科学大学に入学した理由ときっかけを教えてください
将来は漠然と人を助ける職業に就きたいと考えておりました。その時に地域で働く保健師という職業を知りました。そこから保健師課程のある大学を調べ、日本医療科学大学のオープンキャンパスに参加をし、丁寧な説明や施設・設備が充実していること、看護学科だけでなく他の医療系学科がたくさんあり、チーム医療について学ぶ機会があることが入学の決め手となりました。
看護学科の魅力を教えてください
アドバイザー制度があり、大学生活で困ったことがあれば相談できる環境が整っています。また、授業で分からないところがあっても授業終わりや休み時間に個別で教えていただけます。実技演習では先生方が一緒になって説明を交えながら実施してくれるので、とても分かりやすいです。この様な教員と学生の距離が近いことが魅力だと感じております。
最も印象に残っている授業(実習)とその内容を教えてください
1年生の後期に実施した基礎看護学演習Ⅰ-②が印象に残っています。初めて一人で患者様を受け持たせていただき、実際に計画を立てて援助させていただきました。 授業で学んだことと現場で得た情報をもとに計画を立てることの難しさを痛感しました。また、情報収集におけるコミュニケーションの重要性について学ぶことができました。
授業(実習)の中で苦労したこと、そこから学んだことがあれば教えてください
医療系の基礎となる解剖学に苦労しております。看護師は様々な疾患を覚える必要があり、基礎知識の解剖学と結び付けながら理解する様に心掛けております。
将来の目標を教えてください。また、目標のために現在頑張っていることは何ですか︖
将来の目標は患者様に寄り添い、安心と信頼をしていただける様な保健師になりたいです。日々の授業や計画的学習とコミュニケーションを大切にしていきたいです。
学科長挨拶
学科長

他の医療職と協働し、生活者の視点を持ち、患者さんに寄り添うことのできる人材育成を目指しています。

看護学科長

真野 響子 教授

近年、看護職の活躍する場は、広がりを見せています。看護職は、様々な場で生活している病気や障害を抱えている人だけではなく、健康な方々の生活を支える役割を担います。このため、患者さんの最も身近な医療職であることを自覚し、他の医療職と協働しながら、生活者を支えることを学ぶための科目を大切にしています。たとえば、他学科・専攻と合同で学ぶ「チーム医療演習」は、患者さんを支えるための人間性や倫理観を養う機会となっています。また、医療は日々進歩しています。医療の進歩に対応できる専門職であるためには、自ら学び、自ら判断できる力が必要となります。このため、科学的思考力・問題解決力を学ぶ科目を配置しております。