リハビリテーション学科 理学療法学専攻
リハビリテーション学科
理学療法学専攻
Dept. of Rehabilitation / Physical Therapy Course
多様化するニーズに応えられる
責任感と行動力を持ち、
多様な分野で専門性を発揮できる力を育む

ABOUT

日本医療科学大学は平成19年に開設した大学ですが、城西医療技術専門学校の伝統を受け継いでおり臨床実習や就職に有利な大学と言えるでしょう。本学の理学療法学専攻は、多様化する社会のニーズに応えられる理学療法士の育成を目指しています。理学療法の対象者が「何に苦しんでいるのか」「何に困っているのか」「何を求めているのか」に共感し、「何かしてあげたい」という気持ちを持てること。そして、その気持ちを実行に移すために「今、何をするべきか」を理解して、具体的な治療のための行動を起こすことが治療者として求められます。更に、チーム医療の一員として、自分の意見を持ちつつ他職種と協調できるということが、リハビリテーションチームの一員として求められます。治療者として人を理解するためには、まず自分の立場や行動が人からどう見られているかを客観的に判断できなければなりません。常日頃から自分を客観的にみることで、人を理解することができるわけですから、身だしなみや言動に対しても積極的に助言や指導をするようにしています。そのあたりは一般的な大学とは少々異なるかもしれません。

病気やケガにより、身体に障害を持った方が、一日も早く社会生活に復帰できるように、リハビリテーションを行う専門職です。立つ、歩くなどの基本的身体能力の回復を図る運動療法を主として、物理的なエネルギーを用いた物理療法も行います。

社会のニーズ
高齢化社会の進行に伴い、医療施設の他、介護施設や在宅などの介護保険サービスの現場でも活躍しています。さらに近年は、高齢者の介護予防、フレイル予防、健康増進、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病に対する指導、スポーツ現場、産業分野などにも活躍の場が広がっており、チーム医療の中で専門性を発揮することがより求められてきます。

履修の流れ・カリキュラム
履修の流れ
カリキュラム
学びの特色と実習内容
学びの特色
マナーを備え持つ未来の医療人としての教養や問題解決能力を「専門基礎科目」で養います。「専門科目」では、理学療法学の知識と共に、充実した実習により確かな技術を修得していきます。また、高齢化社会が急激に進行するなか、在宅介護やグループホームなどで必要性の増す地域理学療法や、医療現場において重要なチーム医療など、未来を見据えた理学療法学を学ぶことができます。さらに、治療技術に留まらず、患者様の心理を理解できるよう、臨床心理学から福祉行政まで必要な知識を身につけます。一線で活躍する専門家による演習もあり、最新の理学療法に触れる機会も整っています。
実習内容
理学療法学専攻の臨床実習例
学外の協力病院や施設等において、それぞれ目的を持った臨床実習を行います。
主な科目
理学療法臨床見学実習
病院や施設などの見学を通して、病院や施設・地域においてのリハビリテーション部門の位置づけを理解するとともに、理学療法士および関連専門職の役割についても学びます。
理学療法評価学臨床実習I
学内で修得した検査、測定方法について実際の臨床の場で体験して、学内授業をいかに臨床の場で応用するかについて具体的に体験を通して学修することを目的とし、病院・施設で実習を行います。
理学療法評価学臨床実習II
病院や施設で、基本的な理学療法について臨床実習指導者のもと、対象者に対する一連の評価を実施します。治療計画を立案し、理学療法の技術・能力を身につけます。
通所在宅理学療法臨床実習
地域理学療法の場面を通して、通所・訪問リハビリテーションにおける理学療法士や関連職種の役割を理解します。
理学療法治療学臨床実習
理学療法の技術・能力の向上を図ります。実習内容は、臨床実習指導者のもと、対象者に対する評価から治療までの実習を行い、治療効果の検討などをさらに深く学びます。
理学療法学専攻の年次別臨床実習
年次 前期 後期 目的/方法 時間
(単位)
1年次 理学療法臨床見学実習   目的:①医療人としてのモラル・接遇について学ぶ。
②病院・施設の概要や特徴、リハビリテーション部門の位置づけについて学ぶ。
③患者様や利用者様との会話を体験し、コミュニケーションについて学ぶ(言葉遣い・対応・情報の捉え方など)
④理学療法士の業務の流れについて学ぶ
※可能な範囲で様々な体験学習をお願い致します。

方法:国立障害者リハビリテーションセンターや埼玉県内の実習協力施設で実施する。
臨床現場やPT業務を見学し、コミュニケーション方法や病院の特徴などを学ぶ。
45時間(1単位)
2年次   理学療法評価学臨床実習I 目的:①医療専門職としてふさわしい資質・態度を養う。
②各施設における理学療法士の役割・業務の流れについて学ぶ。
③学内で修得した知識を応用し、臨床場面で検査・測定を実践する。
④症例の機能能力障害を観察し、理解する。

方法:関東甲信越を中心とした全国の実習施設で実施する。
臨床実習指導者の指導監督のもと、理学療法の検査測定と解釈について重点的に実習する。
180時間(5単位)
3年次   理学療法評価学臨床実習II 目的:①医療専門職としてふさわしい資質・態度を養う。
②学内で修得した理論と技術などの知識を応用し、臨床場面で検査・測定を実践する。
③症例の機能能力障害(正常からの逸脱)を観察し、理解する。
④検査・測定結果を統合・解釈し、問題点の抽出、目標設定・基本的治療計画の立案を行う。

方法:関東甲信越を中心とした全国の実習施設で実施する。
臨床実習指導者の指導監督のもと、理学療法評価を行い問題点の抽出、目標設定、治療計画立案を実習する。
270時間(7単位)
3年次   通所在宅理学療法臨床実習 目的:①通所・訪問リハビリテーションにおける理学療法士や関連専門職の役割について理解する。
②通所・訪問リハビリテーション利用者に対する理学療法について学ぶ。
③通所・訪問リハビリテーション利用者に対して理学療法の一部を経験する。

方法:関東甲信越を中心とした介護老人保健施設や福祉施設などで実施する。
臨床実習指導者の監督のもと、ケアプランの立案過程から理学療法の実践までを学ぶ。
45時間(1単位)
4年次 理学療法治療学臨床実習   目的:①医療専門職としての理学療法士の資質・態度を養う。
②病院等の全体組織をはじめ、リハビリテーション部門、理学療法部門等の運営・管理について学ぶ。
③患者様の評価・治療計画の立案を学び、学内で修得した理論と技術を応用し理学療法を実践する。

方法:関東甲信越を中心とした全国の実習施設で実施する。
臨床実習指導者の指導監督のもと、理学療法評価から治療までの総合的な理学療法を実践する。
360時間(9単位)
取得可能資格
理学療法士(国家試験受験資格)
活躍のステージ
大学病院、総合病院、一般病院、診療所、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、地域リハビリテーションセンター、老人福祉施設、保健所、保健センター、スポーツ分野、フィットネス産業、教育・研究機関、医療機器関連企業 など

設備機器
動作分析室
歩行や動作における関節の動きを超高精度に分析できるモーションキャプチャシステム(VICON)が設備されている。人間の身体の関節運動を高精度にデータ化し、動作の詳細を様々分析し、動作の特徴や異常の理解につなげます。
トレッドミル
手すりなどをつけることで、体重の負荷を減らし、歩行困難な患者様の歩行トレーニングを行うリハビリテーション器具です。高齢者や手術後の患者などのためのリハビリテーション器具として利用され、手すりの高さを簡単に調整できる器具もあります。
機能訓練室
一般的なリハビリテーション施設と同等の設備を備えており、主に杖や車いす、マットを使用した演習を行うための実習室です。
治療室
さまざまな運動療法(関節可動域運動やストレッチなど)や、理学療法評価(検査・測定)の実技を習得するための実習室です。多数の物理療法機器も備えてあります。
競技用車椅子
速く走る、小回りがきくなどの機能的に特化した車椅子です。車椅子バスケット、パラリンピックの車椅子マラソンなどに使用されるものです。
極低温治療器
整形外科及びスポーツ領域の急性期の外傷に対し、疼痛の緩和や腫脹などの治療や神経筋疾患に対する緊張の緩和などに使用されます。
義肢装具加工室
理学療法士の業務の一つに義肢装具を着用した歩行練習があります。その業務の中で装具の作成・調整などが必要となるため、実際に作成方法などを演習します。
在学生インタビュー
学科長

将来の目標は、患者様に寄り添い、苦悩や喜びを分かち合える理学療法士になることです

リハビリテーション学科 理学療法学専攻 4年
岩手県立盛岡第四高等学校 出身

T.Y.

日本医療科学大学に入学した理由ときっかけを教えてください
オープンキャンパスに参加した際に、日本医療科学大学は学生が疑問に思ったことを分かるまで指導してもらえる環境だと知りました。この大学なら将来、臨床現場に出るまでに知識と技術を養うことができると思い、入学を決めました。
理学療法学専攻の魅力を教えてください
先生に気軽に質問することができることや、学生間でのグループワークで友人との仲が深まりやすいことを魅力に感じています。
最も印象に残っている授業(実習)とその内容を教えてください
理学療法評価演習という科目です。この授業ではカルテ情報を読み取り、臨床の患者様を想定した実技演習を行います。疾患の特徴や容態、日常生活の過ごし方などの様々な観点から、患者様との関わり方や評価項目を考え、主体的に検査を行うことで臨床を想定した知識の獲得やスキル向上に役立ちます。
授業(実習)の中で苦労したこと、そこから学んだことがあれば教えてください
身体中の骨や筋肉、神経、靭帯の位置関係やどの様な働きをするのかを覚えることに苦労しています。人体の解剖についての知識を身に付けていると、触診や視診をして検査に移ることができます。また、国家試験にも必ず出る問題の中の一つです。人体について理解することが必要であり、日々の勉強を積み重ねることが重要です。
将来の目標を教えてください。また、目標のために現在頑張っていることはなんですか
将来の目標は、患者様に寄り添い、苦悩や喜びを分かち合える理学療法士になることです。現在は、患者様に信頼してもらうために、挨拶や生活習慣、身だしなみを意識して過ごしています。また、国家試験合格に向けて日々の勉強を努力しています。
専攻長挨拶
学科長

社会の求めるニーズに対応できる理学療法士を育成します。

リハビリテーション学科 理学療法学専攻長

工藤 昌弘 教授

本専攻では根拠にもとづく医療が提供でき、医療の不確実性に向き合える人材の育成を目指しています。臨床の経験も豊かな教員たちは情熱をもって指導に当たり、学生は同じ目標を持った仲間たちとともに「出来るようになるまで」繰り返し挑戦し、知識や技術を身につけます。失敗を繰り返しながら身に着けた技術や、挑戦し続けた経験は、学生たちの宝となり、いつかは対象者から求められる理学療法士へと成長していけると信じています。最近では理学療法士の活躍の場も広がりを見せ、学生たちの描いた夢を実現できるステージも様々です。本専攻ではそれに対応するカリキュラムを準備して教育を行っています。